「社会人1年目の教科書」菅沼勇基/クロスメディア・パブリッシング/2019年

全体に、大企業に正社員で入ってこの後もしばらくやっていく!!という人向け。

非正規にはあまり参考にならない&そのまま全部受け止めない方がいい点も多いと

思うので注意。

 

良い点として、

「小さな目標をクリアすることを続けて自信をつけていき、徐々に大きな目標を!」

とか、

「夢に日付を入れて実現までのステップを具体的に細かく区切ろう!」

とかは、

仕事や夢実現の方法として、別に会社の仕事でなくても、参考になるだろう。

 

しかし、例えば上司何十人かの人柄をそれぞれ把握して、話しかけるベストな

タイミングを計ったり、飲み屋でタイミングよく灰皿を出したりするような

スキルは、必ずしも全員が持たなくても良いスキルではないだろうか。

 

会社でのし上がっていく!という野望のある人ならともかく、ゆくゆくは

独立して自営業を目指す人がわざわざ身に着ける必要はないと思われる。

 

まずは与えられた仕事を全力でやれ!も同じく、心構えとしては

良いと思うが、そもそも非正規は正社員と違って、最初に任された初歩的な

仕事を一生懸命やっても、その後どんどん責任ある面白い仕事を任されたりは

しないし、給料も上がらないので、このまま受け取らないように注意。

 

非正規は少ない人数で体力的・精神的に負荷のかかる仕事を任せられたりもするので、

バックに控えている正規との保障の差を考えると、無理しすぎて体を壊さないように、

仕事の仕方を調整するスキルを身に着けるも同じくらい大事かと思う。

 

稀に非正規に正規職員並みの仕事を任せる職場もあるけど、責任だけは重くなって

給料は上がらないのだから、そこにそんなに自分の人生の比重をかけてしまっても

よいのかは慎重に考えるべきだろう。

 

ましてや仕事で疲労困憊して休みの日も整体や病院に行くなどのリカバリー作業で

つぶれ、頑張りすぎて鬱になるなどはもっての他。

 

ちなみにこれらは全部実際に起きていることである。

 

自分が元・非正規なので主に非正規からの視点となってしまったが、

立場の違いからくる仕事内容や給料、保障の違いなどを理解しないまま

正社員の視点で書かれたものをそのまま真似すると非常に危険、

と思ったので。

 

正社員の人で、会社で鬼のように頑張りたい人にはおすすめ。